蔵により差はありますが、たまりしょうゆとは大豆9:小麦1で麹をつくり仕込まれたものであり、反対にしろしょうゆは大豆1:小麦9で麹をつくり仕込まれたものです(蔵により配合には若干の差があります)。他のしょうゆの原料配合が大豆・小麦ともほぼ等量(5:5)程度の割合で造られますので非常に極端な配合になっています。ではなぜそのような割合で造るのか、大豆のみ小麦のみでは造れないのかと疑問に思われるでしょう。「しょうゆ」は大豆及び小麦を原料としてつくられたものでなくてはならないと定義されています。大豆のみや小麦のみで造られたものは「しょうゆ」と呼ぶことはできないことになっているのです。
さて、それではそれぞれのしょうゆの特徴についてですが、大豆を主原料とするたまりしょうゆは色が非常に濃く、とろみもあり、照り焼きなどの際に良く使われます。
一方、小麦を主原料とするしろしょうゆはほとんど色がなく透き通っています。うすくちしょうゆでも再現できない食材がもっている色彩豊かな料理を実現できます。
しょうゆの醸造方式については本醸造・混合醸造・混合の3種類があることはご説明いたしましたが、それぞれについてもっと詳しくご説明いたします。
昔から変わらぬ造りかたとは麹菌・乳酸菌・酵母菌など様々な微生物の活動を有効に利用した造りかたのことです。”昔と変わらぬ”とはいえ機械による自動化など醤油造りも多かれ少なかれ現代風に変化しておりますが、しょうゆも化学の進歩とともに全く新しい造りかたが生まれたことで本醸造という定義も生まれたのでしょう。
ここでいう化学の力とは一体どのようなものなのでしょうか。本醸造は微生物の力を利用した造りかたでした。言い方を代えるとしょうゆは原料となる大豆・小麦を微生物の力でゆっくりと時間をかけて分解したものです。そしてしょうゆのおいしさの秘密はたんぱく質などの分解の程度に大きく関わっています。
そこで、大豆・小麦を微生物ではできないレベルまで化学的に分解することで微生物では醸せない旨みをつくりだしています。
その化学的につくられたしょうゆのことをアミノ酸液と呼んでおります。(アミノ酸液とは→化学の力(酸)でたんぱく質等を分解した調味液のことで非常に強い旨みを持っています)
そしてこのアミノ酸液を本醸造の諸味に混ぜ一定期間熟成させて出来上がるしょうゆを混合醸造と呼んでおります。数年前は新式醸造と呼ばれていました。
※現在では酸分解のほかに酵素の力で分解したものもつくられはじめました。
混合醸造についてはさきほど説明した通りですが、では混合醸造と混合の違いは何でしょうか。”醸造”がついていないだけ・・・その通りです。混合はアミノ酸液と本醸造を混ぜ合わせた後、熟成させていないしょうゆです。
ではどのようにつくるのかということになりますが、諸味を搾り固形分と分離した生揚しょうゆ(きあげしょうゆ)に混ぜすぐに加熱・味付け・濾過等の製造工程を経てビンやPETなどの容器に充填します。
そして数年前までこの方法も新式醸造とい呼ばれておりましたが、現在では熟成期間を持つつくり方と区別することとなり「混合」と呼ばれるようになりました。機会があればこの3種類を食べ比べてみてください。それぞれに特徴があり新たな発見があるかもしれませんよ。