造り方の違うしょうゆそれぞれが持つ最大の魅力についてとそのしょうが得意とする料理とはどのようなものでしょうか。
比較的どのような料理に使われても難なく味を整えることができるのはこいくちしょうゆの最大の魅力です。他のしょうゆに比べてどのような料理シーンにもよく合います。しかしながらその万能しょうゆにも最大の弱点が隠されています。それは色の問題。こいくちしょうゆは食材の色を楽しむ料理には向かないということです。例えば春、たけのこを煮るときこいくちしょうゆを使い味を調えると色が濃くなってしまいます、しょうゆは煮るなど加熱することにより色がだんだんと濃くなってきます。もちろんほとんどの料理において最後に醤油を入れて味を調えるのは言うまでもありません。
うすくちしょうゆの使い方は他のしょうゆと比べるとちょっと違うようです。こいくちしょうゆはしょうゆの味を料理に最大限活かすことが求められます。(たくさん使うというのではなくしょうゆのモチアジで料理を活かすこと。)しかし、うすくちしょうゆは食材そのものの味を楽しめるようにしょうゆの味は目立たないことが望まれているように思えます。
また、うすくちしょうゆは塩の代わりに使う場合が多いのだそうです。考えてみると確かにこいくちしょうゆを使う場合は、塩加減に塩を足したりしますね。しかしうすくちしょうゆの使い手が多い関西では塩の代わりにしょうゆで料理の塩味を整えるそうです。塩をつかうと料理がしょっぱくなりますが、原料として塩を使い熟成させるという工程を経たしょうゆは、一般的に言われる「塩かど」がとれ、上品な塩の味になっています。(醤油蔵では「月日の経たないしょうゆは塩かどが経つ。」また「短期間熟成しょうゆは塩辛い」と云われ、しょうゆを長期間熟成させることは大切な要素なのです。)
そしてそんなうすくちしょうゆの魅力が最大限引き出されたものが京料理だといえます。うすくちしょうゆは塩味を整えるしょうゆであり、旬の素材に色をつけないことが求められるものであるため、うすくちしょうゆは塩分を高くして造られることでさらに使う量を減らすことができるように工夫されています。うすくちしょうゆはこいくちしょうゆに比べ塩辛いということをよく耳にしますが、実際には使い手の立場を非常に深く考えて造られているしょうゆといえるでしょう。
さいしこみしょうゆはその発祥といわれる山口県とその周辺地域で主に造られているしょうゆです。醤油造りは原料となる大豆・小麦で麹(こうじ)をつくり、塩水と一緒に仕込み桶に入れ醗酵・熟成させますが、このさいしこみしょうゆは塩水の代わりに搾ったしょうゆを使います。言い換えると「醤油をつくり、また麹とともに桶に戻しさらに醗酵熟成させる」という非常に手間も時間もかかるつくり方なのです。日本全国でのさいしこみしょうゆの出荷量は1%程度といわれ、実際にこのしょうゆを見ることは少ないはずです。
そしてそんなさいしこみしょうゆの魅力は、他を寄せ付けない濃厚な味と香りにあります。主につけしょうゆ・かけしょうゆとして使われることが多いようです。
さしみを買われたときにしょうゆがついていますがその名称を実際に見てください。まれに名称の欄へさいしこみしょうゆとかかれたものがあります。※ほとんどが名称:こいくちしょうゆで色が非常に濃いものでしょう。(人工的にカラメルで色素を足し、増粘剤でとろみをつけてさいしこみしょうゆに似せている)